木炭紙にインク+ガッシュ – 970 × 645 mm
Prazak Quartet「ドヴォルザーク弦楽四重奏曲第14番」
15才の春にドヴォルザークの交響曲8番のレコードを買い、いい曲だなぁと、何度も何度も聴きまして、(15才ですからレコードは数枚しか持っていません)その頃のクラシック音楽好きの友人がプチバカにするんですね。「ドヴォルザークは深刻じゃないから」って。音楽って深刻じゃないとダメなんでしょうか?暗闇があれば十分でしょう。ドヴォルザークの天から降りてくるような美しいメロディーは正にあんたは作曲家なんだよ。と神様が仰っている様なもんです。
プラジャーク弦楽四重奏団の実演は2009年11月20日の上野の東京文化会館小ホールで聴きました。一度は超一流のクァルテットの演奏を聴いておかなくてはと、勇んで行きました、上野駅。
当夜のプログラムは
スメタナ : 弦楽四重奏曲 第1番「わが生涯」より
ヤナーチェク : 弦楽四重奏曲 第1番「クロイツェル・ソナタ」
ドヴォルザーク : 弦楽四重奏曲 第14番
アンコールの最後はハイドン : 弦楽四重奏曲第20番のメヌエット
舞台へ登場なさった四人の印象は、大先生なのに少しも威張っていない!見習うべき誠実な品格がものの数秒で伝わります。演奏が始まると、四人の動きがまるで舞踏のように連携していて、かっこよくて美しい!
おもしろいと見えたのは、第二バイオリンのヴァーツラフ・レメシュさんの座る位置が第一バイオリンのヴラスティミル・ホレクさんのやや後ろに影のような位置にいて、四人が均等に並んでいないんですね。それで、基本中の基本なんでしょうが、弓の端までめいっぱい使い切り、音楽が躍動的に能動的に演奏されます。それだけで心が奪いとられます。
それで思い出しました、彼らのベートーヴェン弦楽四重奏曲のCDの全ての装丁は、画家のMicheline Reboulleauさんによる、演奏中の四人の躍動感のある美しい水彩画が使われています。やっぱり彼らの演奏は絵になるんですよ。
アンコールの最後に演奏されたハイドンのメヌエット!正に王者の音楽でした。会場では其処此処でため息が出てました。
困ったのは、その後聴いたいくつかのクァルテットは、イマイチか、がっかりで 笑
演奏会終了後、上野公園の暗闇を見て、めずらしい、東京にまだこんなに広い真っ暗な闇があったんだ、と目が洗われました。暗闇で目が洗われるんだ。