木炭紙にインク+ガッシュ+アクリル絵具 – 490 × 640 mm

レジス・パスキエ(Régis Pasquier)
「ベートーベン バイオリンソナタ全集」

 初めてベートーベンのバイオリンソナタ全集のCDを手に入れたのは、アンネ=ゾフィー ムターの録音の発売の年、2000年頃で、美しい装丁に負けて購入しました。
肝心のムターの演奏ですが、私の頭の中を素通りしてしまい。何度聴いても、どの曲にも感応しません。こんなケースは初めてです。ベートーベンに拒絶されたのかなぁ、と思っていました 笑。
ところが友人のS氏が我が家に来てムターのCDを見つけ、「これ聴いているんだ、どう?」と訝しげな質問です。正直に何にも感じないと答えて、その場はS氏からの突っ込みは無く終わりました。その後S氏宅で、覚えていてくれていたのでしょう、パスキエのベートーベンをかけてくれました。ソナタ第1番の第1楽章Allegro con brioが鳴り始めた瞬間、これ、これですよ!からだに電流が走るように若かりしベートーベンの音楽が入り込んできました。
その後、心やさしいS氏は私の為にほぼ廃盤に近いパスキエ盤を欧州のサイトで探してくれて、手に入れる事が出来たのですが、パスキエ盤は1997年録音、ムター盤はほぼ同時期の1998年録音です。パスキエ盤は弱小レーベルのAUViDiSで廃盤、ムター盤はドイツグラムフォンで今でも現役盤。理不尽だなぁー(泣)
パスキエの巧緻でいて即興性に富む演奏を聴いていると、何故ムターの演奏で心が動かず、パスキエの演奏で感応するのか?改めてムター盤を聴きたいですが、既に手放してしまいました 苦笑