木炭紙にインク+アクリル絵具 – 970 × 645 mm

つげ 義春「蒸発」

 「ねじ式」以降の漫画で「蒸発」は最後の傑作になります。蒸発のあとに「海へ」と事実上最後の作品の「別離」がありますが、悲惨すぎて私には読めません。海へと別離はあきらかにつげさんの実体験がはまっており、つげさん程悲惨な時代ではないですが、私自身の子供時代も似たような場面があり、今の若い方は信じられないでしょうが、同級生に水上生活の家庭(戸籍の無い方ね)があり、船の中に入った事があります。又、つげさん同様錦糸町に私も縁があり、苦しくて読めません。あ、思い出しついでに… 小学校の同級生の△△くんのおじいちゃんは、朝、家の前のドブにう◯こするんです。△△くんの家は学校の校門前なんですよ 笑。野糞なら分かるけど、街糞ですからね。その日は(勿論頻繁にある)学校中大騒ぎです 笑笑。東京とはいえ昭和30年代の東側の貧民街はそんなでした。
閑話休題。「蒸発」の表紙にまずやられます。表紙の絵で読者を引き込み、物語を予感させます。表紙の絵は松でしょうか?岩から斜めに生えている一本のうら寂しい松の木。能舞台の松の絵と同じものを持ってきてもまったく印象が違いますね。不思議な重量感があります。漫画の表紙の絵にこれを持ってくるのはシュールを超えています。さて、お読みでない方がいらっしゃるといけないので、この辺りでおしまい。…かすみかな

(汚い話を書き込んでごめんなさい🙏どうやらこの駄文の作成前につげさんの「大場電気鍍金工業所」を読んだので思い出したようです)