木炭紙にインク+アクリル絵具 – 490 × 640 mm

つげ 義春「退屈な部屋」

 つげ病が再発したので 笑。つげさんで隙間稼ぎをします。「退屈な部屋」はペーソスのある夫婦物の中の一作です。冒頭の1ページ目からつげさんの力量に圧倒されます。下段のコマの凄い事!夏の入道雲!八王子行きの電車!線路と並行する道路のタッチ!中央部の盛り上がったムーブメント!墨ベタのコントラストで表現する草木!最初に見た時は狂気を感じました。
ここで誤解して欲しくないのは、関心しているのです。ジャズピアニストの山下洋輔さん著作「ピアノ弾きよじれ旅」のなかで、飛び抜けて優れた演奏をするミュージシャンを「ガイ○チ」と褒める言葉があったと思い出しましたが、正にガイ○チの絵です。
最終ページの凹凸のある野原を夫婦で帰宅するコマは、見ていると、何か宗教的な安らぎを感じます。私を含めてつげファンは、つげさんと同等の精神を生きていますよね。つげさんは私達ファンのために描いているんだなと実感しました。