木炭紙にインク+アクリル絵具 – 490 × 645 mm
Billie Holiday「Lady in Satin」
ビリー・ホリデイ晩年の録音「Lady in Satin」は、17才か18才の時にレコードで聴き、やや上向で彼方を望むビリーの写真のレコードジャケットの美しいブルーグレイの背景の如く悲しく切なく壮絶な歌に衝撃を受けたのですが、如何せん戦後の平和ボケで育った甘ったれの17歳のガキには背伸びをしても立ち向かえない歌に完敗して、お蔵入りの音楽になりましたが、古希を迎える今改めて聴きましたが、完敗はなく、五分五分といったところでしょうか笑
繰り返します。
私にとって「Lady in Satin」は俗に言う三途の川のごとく超えられない歌で長らく封印していた音楽でしたが、たまたま購入したJazzのセット物のCDの中にビリーのBillie Holiday Singsが入っており、恐る恐る聴き、今だったら「Lady in Satin」を聴けるのではないかと「Last Recording」も一緒にCDを買っちゃい、少しは成長したのか音楽の波にのり、いや飲み込まれて聴き惚れています。
収録している歌は全て恋の歌ですが、(性欲の消滅したEDジジイに恋の歌は笑っちゃいますが)聴いていてふと、娘が小学生くらいの頃でしょうか、二人して駅の北側にあるミスタードーナツで時間調整をしていたら、隣の席に母と息子ほど年の離れたカップルが座り、男性はどんなに年齢を高くみても十代にしか見えなく、どうしようか何処行こうかなどと、近県から駆け落ちしてきたみたいで笑、ちょっとこの手の会話は娘には聞かせられ無いなと早々に店を出たのですが、娘はカップルの存在をまったく気にしていないみたいで、安心した思い出があります。
このアルバムは聴くたびに胸を打つ曲が変わるのが面白い。