木炭紙にインク+ガッシュ+アクリル絵具 – 490 × 645 mm

Ella Fitzgerald 「Hello, Dolly!」

古くからの友人S氏と初めて会ったのは17才か18才の高校生の時で、S氏は校内ですれ違う時必ず何か口ずさんでいて、歌っていて。何歌っているんだよって声かけたら「ジャズ、サラ・ボーンだよ」って笑
S氏は早熟で、当時ジャズレコードを扱っているレコード店のおばさんに、『こういう音楽は大人じゃないと解らないのよね~』と、聞こえよがしに言われたらしいです 笑

さてElla Fitzgerald の「Hello, Dolly!」ですが、俗に言うスタンダードナンバーが多く収録された録音で、サラ・ボーンと比べると抑えた表現で、うまいですよね。いつも思うのですが、当時の偉大とも言える歌手たちは、自分たちのやっている音楽が稀に見る気宇壮大な世界に入っていたことを自覚していたんでしょうか?やっぱ無自覚ですかね。
アルバム中、初めて聴くLullaby of the LeavesとPete Kelly’s Bluesの2曲は、曲が始まったとたん鳥肌が立ちました。哀しげな二つの曲は私の大好きなサッドな世界へ沈静させてくれて、♫~ All she can hear is the echo of a voice saying this will last ~ ♫と、大人をとうにすぎた私は口ずさんでしまいます。