木炭紙にインク+アクリル絵具 – 500 × 330 mm

Robert Casadesus「Mozart: Piano Concertos No. 21 in C Major K.467」

十代の時、最初に購入したモーツァルトのピアノ協奏曲のレコードはRobert Casadesusがピアノを弾く21番と24番のカップリングだったと記憶しております。その後モーツァルトのピアノ協奏曲は様々な演奏家に浮気をいたしましたが、改めてデジタル化したカサドシュの演奏を聴くと、なぜ浮気をする必要があったのか?と愕然をいたしました。
カサドシュの慈愛に満ちた、無欲で優しい演奏を聴くと、私の多方面に渡る芸術の嗜好性はこの音楽で培われたものだったのか、と自分勝手に納得いたしました。
モーツァルトのピアノ協奏曲はオペラや交響曲、ピアノソナタに比べて不当に見られている傾向にありますが、私にはその辺が理解し難く、といっても無学な素人の私ですからそうなのかなと口を塞いでおり、ウィーンでの初演時の不評が刷り込みになっての過小評価されているのでは、とも思っておりましたが、最近とあるクラシック音楽のダウンロードサイトの書き込みで疑問が解けました。
20番のピアノ協奏曲の演奏会には父のレオポルドが参加しており、娘のナンネルに成功した素晴らしい演奏会と手紙で伝えていて、21番の演奏会では大入満員の客で一年分の収入に当たる金額を得たと、これもナンネルに手紙をしたためていたようです。
ほうらね。レオポルドのドヤ顔が想像できます 笑(サイトの誠実さによって怠惰な私はレオポルトの手紙を検証する手間を省きます)
モーツァルト自身のピアノ演奏でこれらの傑作を聴いて、ウィーンの聴衆が理解できないとは考えられません。それこそ音楽好きな方達で盛り上がっていたのではないかと推察されます。
私もちょっとドヤ顔ですが、カサドシュのピアノとミュンシュ指揮ニューヨーク・フィルハーモニック1948年録音のNo. 21 in C Major K.467のカデンツァ部分が、24時間中頭の中をくるくる回り、困っています 笑