木炭紙にインク+アクリル絵具 – 645 × 970 mm
Magnificat「Where Late the Sweet Birds Sang」
私は雑駁な人間で、そんなだからか、聴く音楽の種類も雑駁で、柄に似合わず中世ルネッサンス期の合唱音楽を十代から憧れを持って聴いてきました。
1970年代に手に入る中世ルネッサンス期の声楽の音源は英国の合唱団が多く、どれもが美しく、統御された演奏は見事でしたが、統御された分、今一つ聴き手に訴えるものが欠如していて、物足りないものを感じていました。
MagnificatとディレクターのPhilip Caveは、中世ルネッサンス期の音楽作品にある限りない可能性を、これまた見事に統御し、今まで不満に感じてた部分であろう制御を開放し、感動的な演奏をつくり上げています。
このアルバムに収録されている作曲家のRobert Parsons、Robert White、William Byrd、ともに16世紀から17世期のエリザベス朝の宗教の激動の時代を生きた作曲家ですが、そんな時代の作曲作品だからか、とてつもなく完璧な演奏を最新の録音で聴くと、今という激動の時代に生きていて、数十年間合唱音楽を聴き続けた甲斐があったなと思います。
アルバムの題名の「Where Late the Sweet Birds Sang」は和訳すると「夜更けに小鳥がさえずる」になるのでしょうか?意味深ですが、私にとってこの音楽は、崇高な甘い体験となります。
合唱音楽のオーディオ再生は大変難しく、お金で済ますことはできません。オーディオ機器に少しずつ手を入れ、結果を判断し、次のステップに上がっていきます。
今は絵はほったらかしにして、スピーカーケーブルの接続端子の制作中ですが、震える手にハンダゴテを持ち、悪戦苦闘しているところです 笑