木炭紙にインク+アクリル絵具 – 500 × 330 mm

Albert Ayler 「Nuits De La Fondation Maeght 1970」

10代の終わり頃、友人のM君の家で、アルバート・アイラー最後になる録音「Nuits De La Fondation Maeght 1970」 の最終曲Music Is The Healing Force of the Universeを聴いて、えらく感動したのが忘れられませんでした。いつかは我が家で鳴らしたいとの想いがつのり、およそ50年ぶりになるのですが聴きました。若い時には、アイラーのサックスの音は、生きたままの蛇の皮を剥いだ生肉を想像して嫌厭していましたが、ボケてきたせいか、いくらか成長したのか、今は魅力的な音に聴こえます。
そして、いつもながら感心するのは、この手のこの時代の音楽のライブ録音を聴いて、ヨーロッパの聴衆の、目の前の芸術を即座に理解して、良し悪しの判断ができる見識の高さです。もの凄く盛り上がっています。
アイラーがフリージャズにおける重要人物だとか、ジャンキーだとか、1970年11月25日にニューヨークのイーストリバーで死体が見つかったとか、自殺だとか他殺だとか、そんなどうでも良い事は別にして、高々5人のジャズミュージシャンの奏でる音楽が、曼荼羅の宇宙空間を創造してしまうのに驚異を感じます。(こんな音楽に曼荼羅を使うな!と仏像大好きな三浦じゃんさんにしかられますかね 笑)
CD化の音が良いのか、我が家のチープながらも手を掛けたオーディオが良いのか判別できませんが、とても50年前のライブ録音とは思えない良い音がしています。待った甲斐がありましたが、今の時代に、この手のフリージャズで目に涙を湛えてお腹いっぱいになる私は、やっぱり変な奴なんでしょうか 笑